「私たちは直感だけで動いているわけではありません」と、都内の警察署で長年勤務したOBは語る。彼らによると、職務質問は「引き算の論理」で行われるという。その街の平均的な通行人の流れから、どれだけ「浮いているか」を瞬時に計算しているのだ。
例えば、ビジネス街にラフすぎる格好で佇んでいる、深夜の住宅街を目的もなく徘徊しているなど、時間と場所に対する「不適合感」が最大の基準となる。警察OBは「怪しい人を探すというより、その場に馴染んでいない人を探す感覚に近い」と明かす。この「馴染めなさ」こそが、頻繁に声をかけられる人々が共通して放っている空気感なのかもしれない。