平野レミの家系を遡ると、まず現れるのがアメリカ人の祖父、ヘンリー・パイク・ボウィだ。彼は単なる外国人ではない。明治時代に日本美術に魅せられ、何度も来日しては日本画を学び、その魅力を欧米に紹介した法律家であり画家だった。福井藩の藩主・松平春嶽らとも交流があったというから、その歴史の深さに驚かされる。
そして、レミの父である平野威馬雄(いまお)は、フランス文学者であり詩人だった。ヘンリーの息子として生まれた威馬雄は、ハーフであることで受けた差別や葛藤を乗り越え、人道主義的な活動や怪異譚の研究など、多岐にわたる分野で独自の足跡を残した。レミのあの「他人の目を気にしない、自由奔放な生き方」は、まさにこの父・威馬雄の「個性を徹底的に肯定する」教育方針から培われたものなのだ。