時を今から四半世紀以上前に戻そう。1998年の第70回選抜高等学校野球大会。準決勝で激突した両校の試合は、高校野球ファンの記憶に強く焦げ付いている。
マウンドに立っていたのは、のちに球界の歴史を塗り替える松坂大輔投手だった。対する沖縄尚学は、鋭いスイングと機動力で横浜の堅守を脅かした。結果は3-2で横浜の辛勝。しかし、この一戦が示したのは、激戦区・神奈川の絶対王者に対して、沖縄の野球が全国トップレベルへ完全に到達したという冷徹な事実だった。翌1999年、沖縄尚学は悲願の全国制覇を果たす。あの春の夜、甲子園の土を集めた球児たちの悔し涙こそが、沖縄野球の新しい時代の扉を開けたのだった。