あの一瞬の出来事が、これほど巨大なムーブメントになると誰が予想しただろうか。2026 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の開幕直前、侍ジャパンの決起集会や練習グラウンドで生まれたのが、かの有名なペッパーミルポーズだ。「粘り強く削り出す」「良いプレーを絞り出す」という意味を込めてヌートバーが日常的に使っていたセレブレーションを、大谷翔平がいち早く面白がり、チーム全体へ広めたのがすべての始まりだった。
実は、初めからチーム公式のポーズに決まっていたわけではない。異国の地からやってきたヌートバーがチームに素早く馴染めるよう、大谷をはじめとする主力選手たちが配慮し、自ら進んでペッパーミルを挽く動作を真似たのだ。ベンチ裏で交わされた他愛もない会話と笑い声から生まれたノリが、いつしか国境を越えた絆の証となり、世界中のメディアを驚かせる一大トレンドへと膨らんでいった。