この歴史的一冊を手がけたのは、日本を代表する写真家・篠山紀信氏でした。撮影の舞台に選ばれたのは、アメリカ・ニューメキシコ州のサンタフェ。アドビ建築の乾いた土壁や雄大な自然が広がるこの地で、伝説のカットの数々が生まれました。
後に明かされた撮影秘話によると、日本を出発する段階では完全なヌード撮影であることは宮沢りえ本人に詳しく伝えられていませんでした。現地に到着後、篠山氏と母・光子さんが「今の一番美しい瞬間を残すべきだ」と提案。当初はりえ本人も戸惑いを見せたものの、サンタフェの乾いた風と自然光、そして篠山氏の卓越した撮影テクニックと演出に包まれる中で、自らの身体をひとつの表現手段として受け入れていきました。
ドアの前に佇む象徴的なカットや、純白のレース越しに光を浴びる姿など、収められた写真は猥褻さを一切感じさせない清冽な芸術性を放っていました。のちに篠山氏は「無理やり脱がせたのではない。彼女自身が持っている生命力と美しさが、カメラの前で自然と解き放たれた」と述懐しています。10代の瑞々しい肉体美と天性のスター性が奇跡的な調和を果たした瞬間でした。