ハム目は「医師の技術不足」と一括りにされがちですが、実際には患者のまぶたの解剖学的特徴と術式のミスマッチによって引き起こされるケースが圧倒的多数を占めます。代表的な発生原因を解剖学の観点から深掘りします。
第1の原因は、本人の骨格的限界を超えた「幅広二重」のデザイン設計です。SNSや動画メディアで憧れのインフルエンサーの平行二重を模倣し、まつ毛から8mm〜10mm以上の高い位置にラインを設定した場合、上部の分厚い皮膚がそのまま二重の幅の中に収まります。この分厚い皮膚は薄く折り畳まれることができないため、物理的に前方へ突出します。
第2に、全切開における眼輪筋および瞼板前組織(ROOFや眼窩脂肪)の不適切な処理が挙げられます。切開手術時にまつ毛側の皮下組織を過剰に残存させたり、逆に固定位置の癒着が強すぎたりすると、組織内のリンパ液や静脈血の循環が恒久的に遮断され、慢性的な浮腫(むくみ)が固定化してしまいます。
第3の見落とされがちな要素が、「軽度の眼瞼下垂」を放置したまま二重手術を行ったケースです。まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋・ミュラー筋)の力が弱い状態で二重幅だけを広げると、目を開ける力そのものが皮膚の重みに負けてしまいます。結果として黒目がしっかりと露出せず、二重の折り込みが浅くなり、皮膚がだらしなくたるんでハム目をより強調させてしまうのです。