いまさら聞けない「与党と野党の違い」とは一体何なのか。政治を動かす決定権を持つ与党と、批判・チェック役の野党。実は知らない権限や国会での役割の決定的差とは一体なぜ生じるのか。その答えは、日本国憲法が定める議院内閣制の基本構造にあります。
簡潔に言えば、「政権を担当し、国の行政を実際に動かす政党」が与党であり、「政権の外側にあり、政府の行動を監視・批判する政党」が野党です。この分かれ目を決定づけるのが、国会で行われる内閣総理大臣指名選挙(首班指名)です。衆議院と参議院の議員による投票で過半数を獲得した人物が首相に指名され、その首相が国務大臣を任命して「内閣」を組織します。この内閣を支える多数派勢力こそが与党と呼ばれます。
この仕組みから、両者には以下のような決定的な権限の格差が生じることになります。
与党に属する政治家は、大臣・副大臣・政務官といった政府の要職に就任し、各省庁の官僚組織を直接指揮・監督する権利を得ます。道路の建設、社会保障の給付基準、外交交渉の妥結など、国家予算を使って政策を直接「執行」できるのは与党(内閣)だけです。一方、野党の議員はいかに優れた政策ビジョンを掲げていても、行政官を直接動かす権限は1ミリも持っていません。これが「決定権を持つ与党」と「監視役の野党」という構造が生まれる最大の理由です。