『桐島、部活やめるってよ』は、2009年に第22回小説すばる新人賞を満場一致で受賞し、2010年に単行本として刊行された朝井リョウのデビュー作です。男子バレーボール部のキャプテンであり、学業優秀、誰もが羨む美人の彼女を持つ校内のスター・桐島が突如部活をやめ、連絡を絶った金曜日から火曜日までの数日間が描かれます。
原作小説は、桐島を取り巻く複数の生徒たちの視点で章ごとに語られる連作短編集(オムニバス形式)を採用しています。桐島の親友、桐島の彼女、バレー部の後輩、吹奏楽部の部長、そして桐島とは一切接点のない映画部の男子生徒――。桐島という絶対的な存在が欠落しただけで、普段は交わるはずのなかった教室内のグループ同士の境界線が揺らぎ、それぞれが抱える焦燥感や劣等感が容赦なく浮き彫りになっていきます。