2,173席を誇る大ホールと、1,070席の中ホール。この2つの空間は、構造も響きの性格も明確に異なる。チケットを押さえる際、どの席を選ぶかで得られる感動の質は劇的に変わる。
大ホールの最大の美点は、豊かに広がる残響とダイナミックレンジの広さだ。オーケストラや大規模ミュージカルでは、音の波が天井から降り注ぐような感覚を味わえる。視界と音像のバランスがもっとも優れているのは、1階センターブロックの11列目から18列目付近。ステージ全体を見渡しつつ、ダイレクトな直接音とホールの豊かな残響を同時に体感できる特等席だ。一方、2階席前方列はステージ全体を見下ろす視界の抜けが抜群で、舞台演出の全貌を把握したい鑑賞者にはたまらないポジションとなっている。
対照的に中ホールは、音の立ち上がりが極めてシャープで、演者の細やかなニュアンスまでダイレクトに届く設計だ。演劇や室内楽、アコースティック編成のライブでは、まるで演者と同じステージ上にいるかのような濃密な緊密感を味わえる。前方の席はもちろん、後方列であっても傾斜がしっかりと確保されているため、前の観客の頭で視界が遮られるストレスが極めて少ない点も特筆に値する。