盗撮は実行犯だけの問題ではない。施設を管理する企業や店舗側にも、安全配慮義務および施設管理責任が重くのしかかる。トイレ内の点検を長期間怠り、隠しカメラが放置されていた結果として利用者が被害に遭った場合、施設側も民法上の共同不法行為や使用者責任を追及される可能性がある。
弁護士ドットコムに寄せられる相談事例でも、商業施設や飲食店の管理瑕疵をめぐる損害賠償請求のハードルは年々具体化している。定期的な点検ログの記録、清掃時の目視確認マニュアルの策定、従業員へのコンプライアンス教育を行っていなければ、法廷で「予見可能性があった」と判断されるリスクは免れない。
ブランド価値の失墜は金銭的損害にとどまらない。SNS時代において「あの施設のトイレは危険だ」という風評が拡散すれば、事業継続そのものが致命的な打撃を受けることになる。