インターネット上では「フットサルはサッカーに比べてコートが狭いから、運動量が少なくて楽」「初心者や高齢者向けのイージースポーツ」という言説が散見されます。しかし、スポーツ科学および運動生理学の視点からデータを検証すると、この言説は明らかな誤解であることが分かります。
確かに1試合の総走行距離を比較すれば、サッカー選手が約10〜12kmを走るのに対し、フットサルのトップ選手は4〜5km前後です。しかし、中身の密度が全く異なります。サッカーの走行距離の大半はジョギングや歩行による低強度運動が含まれますが、フットサルの走行距離は「数メートルの急加速・急停止・方向転換(スプリント)」の占める割合が圧倒的に高いのです。
短時間で乳酸が急激に蓄積する「間欠的高強度運動」であり、心肺機能および筋力にかかる瞬間的負荷は極めてヘビーです。また、相手ディフェンスとの距離が常に1メートル未満の超近接状態でボールコントロールを求められるため、脳の処理速度や周辺視野の活用といった認知負荷も、サッカー以上の疲労を伴います。