近年の暴力団対策において、最も強力な武器となっているのが「使用者責任」の追及だ。配下の組員が起こした事件に対し、トップである司組長への損害賠償請求や刑事責任の追及が行われるケースが急増している。
この法的な包囲網は、組織の資金力を内側から削ぎ落とす決定打となっている。どれだけ強固な組織を築こうとも、司法の刃は直接トップの身元へと迫る。司組長自身、日々の行動や発言には細心の注意を払わざるを得ず、かつてのような「大号令」をかけることは事実上不可能に近い。法治国家としての日本が敷いた網の中で、巨大組織の首領は静かに呼吸を整えている。