テレビシリーズの熱狂は映画館へと波及し、物語の最終章となる『劇場版 SPEC〜結〜』(漸ノ篇・爻ノ篇)で最高潮に達した。人類の運命を左右するスケールの大きな物語の中で、戸田と加瀬が魅せた迫真の芝居は今も語り草となっている。
過酷な撮影現場では、台本にはない臨機応変な即興芝居が次々と生み出された。実は過密なスケジュールと演出上の意図から、本編には入りきらなかった未公開エピソードや幻の未採用カットも数多く存在する。現場で二人が交わした生の空気感こそが、作品に類まれな臨場感を注入していたのだ。極限状態で高め合った演技の熱量は、映画の枠を飛び越えるほどのエネルギーに満ちていた。