現実の宇宙空間を飛ぶロケットの場合、月への到着日数は打ち上げ時の推進力や選択する軌道によって大きく異なります。
1969年に人類初の月面着陸を成し遂げたアポロ計画(アポロ11号)の所要日数は約3日(約73時間)でした。強力なサターンVロケットで地球の重力を振り切り、時速約3万9,000kmに達するスピードで直線的な遷移軌道をとったため、わずか3日余りで月周回軌道へと突入しました。
一方で、近年の無人探査機や商業ミッションでは、燃料消費を極限まで抑えるために地球や月の重力を利用する複雑な軌道(スイングバイ)を選択することが増えています。この場合、数週間から数ヶ月かけてゆっくりと月に接近します。最短で数日、エネルギー効率を重視すれば数ヶ月というのが現代の宇宙工学におけるリアルな航行スケジュールです。