頭数が適正化された街歩きにおいて、猫と出会えるかどうかは「訪れるタイミング」が生死を分けます。猫は本来、獲物を狩る習性に基づき「薄明薄暮性(朝夕の薄暗い時間帯に最も活動的になる性質)」を持っています。
観光客が集中する11時から15時前後の時間帯は、猫にとって気温が高く人間が騒がしいため、縁の下、車の下、塀の隙間、高い屋根の上などに身を潜めて睡眠をとっています。したがって、昼間に漫然と歩いても出会えないのは生物学的に当然の現象です。
猫の生態と共存する散歩ルート設計においては、以下の条件を押さえることが決定打となります。
- 遭遇率が最も高まるゴールデンタイム:早朝6:00〜8:30、および夕暮れ時の16:30〜18:00。
- 季節による居場所の変化:春・秋は日当たりの良い石垣やコンクリート上。夏場は風通しの良い路地の石畳や日陰の隙間。冬場は室外機の周辺や日だまり。
- 尾道「猫の細道」推奨ルート:艮神社横のロープウェイ下から天寧寺三重塔を抜け、千光寺への小径へ。人の気配が落ち着く午前中の早い時間帯が最適。
- 自然になついてもらうアプローチ法:正面から大声で近づくのは厳禁。目線を猫と同じ高さまで落とし、数メートル離れた位置から「ゆっくり目を細めて瞬きする(敵意がないサイン)」を送り、猫側から寄ってくるのを待ちます。人差し指をそっと差し出して匂いを嗅がせるのが、猫界における正式な挨拶となります。