伝統ある大名跡を継いだ息子たちの実力について、歌舞伎関係者や劇評家はどのような評価を下しているのでしょうか。興行現場の取材と劇評データから、その実態が浮き彫りになっています。
特筆すべきは、2026年以降に三兄弟が主体となって立ち上げた自主公演『神谷町小歌舞伎』の成功です。大看板の胸を借りる本興行とは異なり、演目選びから演出、チケット手配や宣伝活動に至るまで三兄弟が自ら汗を流すこの試みは、歌舞伎通の間で極めて高い熱量をもって迎えられました。
それぞれの個性と舞台評価は明確に分かれています。
- 中村橋之助(長男):骨太な口跡と堂々たる立廻り。古典の大役を物怖じせず演じ切るリーダーシップがあり、外部ミュージカルでも主演を務める歌唱力と身体能力を兼備。
- 中村福之助(次男):客席を一瞬で惹きつける明るさとダイナミズム。義太夫狂言の荒事や個性的な敵役でも独自の存在感を発揮。
- 中村歌之助(三男):三兄弟の中で最もスマートかつ繊細な所作を持ち味とし、立役のみならず若女方としても清楚な色気を表現できる器用さが強み。
三兄弟が一堂に会した際のアンサンブルの強さは、現在の若手歌舞伎界随一と言われており、「成駒屋の未来は盤石である」との評価が定着しつつあります。