公共放送の在り方が問われる中、日本放送協会(NHK)が進める2026年の事業計画改定は、単なる経費削減や組織のスリム化にとどまらない。トップに立つ稲葉延雄会長のもと、膨大な事業規模の見直しとデジタル基盤の強化を両立させるという難解な舵取りが続いている。受信料制度を維持しながら、いかにして国民の納得感を得るか。その解答の一端が、今回の改定案には色濃く反映されている。
現場の職員からは期待と戸惑いが入り交じる声が漏れる。あるベテラン記者は「従来の地上波優先の発想を捨てなければ、若い世代には届かない」と焦燥感を露わにする。受信料の値下げに伴う収入減という制約の中で、報道の質を落とさずにどう生き残るか。経営陣と現場の温度差を抱えたまま、改革は着々と推し進められている。