毒蝮三太夫のキャリアは、本名である「石井伊吉」名義での子役時代にまで遡る。戦後間もない時期から舞台や映画で活躍し、若くして確固たる演技の基礎を築き上げた。やがて舞台からテレビへと時代が移り変わる中で、彼の才能は新たなお笑いの世界でも花開くことになる。
特に大きな転機となったのが、1966年にスタートした演芸番組『笑点』への座布団運びとしての出演だ。立川談志との深い親交から生まれたこの役柄で、彼は一躍全国的な人気者に踊り出た。「毒蝮三太夫」というインパクト抜群の芸名も、実は談志が「蝮(マムシ)のように毒があるが、どこか愛くるしい」という絶妙な命名センスから授けたものだ。ここから彼の本格的なブレイクが始まった。