鋼の錬金術師エンヴィーの哀しき正体と最期!なぜ自決を選んだのかの全体像を丁寧に掘り下げてご紹介します。
エンヴィーは、2度制作されたテレビアニメシリーズにおいて、物語の根本設定や結末、そしてキャスティングが大きく異なります。それぞれの名優が見せたアプローチの違いは、現在もアニメファンの間で熱く語り継がれる要素です。
項目2003年版(初代アニメ)2009年版(FULLMETAL ALCHEMIST)編集部の見解・評価担当声優山口眞弓高山みなみ山口氏の退廃的なハスキーボイスと、高山氏の少年性と狂気が同居する高音、双方が奇跡的なハマり役。キャラクターの正体ホーエンハイムとダンテの間に生まれ、水銀中毒で病死した実の息子。「お父様」が己の魂から切り離した「嫉妬」の感情を核とする人造人間。03年版は血縁と愛憎のドロドロとした因縁、FA版は人間の普遍的感情を背負う哲学的存在へと昇華。物語上の最期父への執着から巨大な大蛇(ドラゴン)へと変貌し、門の向こう側(現実世界)へ消える。エドワードに本心を見破られ、自らの手で賢者の石を砕いて消滅(自殺)。FA版の自決シーンにおける高山氏の絶叫と消え入るような別れの演技は声優史に残る屈指の名演。動機と行動原理父ホーエンハイムから捨てられた恨み、エルリック兄弟への嫉妬。不完全でありながら支え合い乗り越えていく人間という種族全体への嫉妬。個人の愛憎を描いた03年版と、原作の人間讃歌を極限まで引き立てるFA版で対照的な魅力を持つ。
2003年版の山口眞弓氏が演じたエンヴィーは、気だるげで底知れぬ残忍さを漂わせ、父ホーエンハイムに対する個人的な怨嗟を湿り気のある芝居で表現していました。一方、2009年版『FA』の高山みなみ氏は、高慢でサディスティックな少年の軽快さを見せつつ、追い詰められた際の見苦しい咆哮、そして最期の落涙に至る感情の起伏を鬼気迫るトーンで演じきり、原作ファンを唸らせました。