アニメーションにおいて泉鏡花というキャラクターに血肉を与えたのが、実力派声優の諸星すみれさんです。幼少期から子役・声優として第一線で活躍し、圧倒的な表現力を持つ諸星さんの声は、鏡花が抱える「無機質な冷酷さ」と「14歳の少女の純真さ」のあわいを完璧に表現しきっています。
第1期登場当初の諸星さんの声は、抑揚を徹底的に排した平坦なトーンでありながら、心の奥底で泣き叫んでいるかのような微細な震えを帯びていました。それが敦や探偵社の仲間たちと関わるにつれ、少しずつ色彩を帯び、感情のグラデーションが豊かになっていく様は、視聴者からも「演技の説得力が凄まじい」「鏡花ちゃんの声を聞くだけで涙腺が崩壊する」と極めて高い評価を集めました。
ここで、ファンの間で名シーンとして語り継がれる鏡花の珠玉の名言を振り返ります。
「もうこれ以上一人だって殺したくない」
ポートマフィアの暗殺者として命を奪い続けることに限界を迎え、列車内で敦に胸中を晒した悲痛な叫び。彼女の魂の原点であり、光への第一歩となった言葉です。
「マフィアの殺しと探偵社の殺しは違う」
自身を連れ戻しに現れた尾崎紅葉に対し、自らの居場所を探偵社に見出した鏡花が放った決意の弁。単なる暴力の肯定ではなく、「誰かを守るための戦い」へと価値観が脱皮した証左です。
「私はもう、貴方が知る私じゃ無い!」
過去の支配者であるマフィアの亡霊を断ち切り、自立した一人の人間として未来を選ぶ瞬間の力強い宣言。諸星すみれさんの芯の通った澄んだ声が、劇的なカタルシスを生み出しました。