視覚的な魅力を牽引しているのは、世界的な再評価が続くシティポップの美学だ。特にイラストレーターの永井博が手掛けた、清々しいプールサイドや鮮やかな夕暮れの椰子の木を描いたグラフィックは、ミニチュアのカセットインデックス(ジャケット紙)にそのまま落とし込まれている。
山下達郎の名盤を彷彿とさせる夏のアッパーチューンや、哀愁を帯びたメロウなサウンドトラック。かつて若者たちが意中の相手のためにオリジナルテープを編集したように、現代の若者はその世界観をミニチュアアクセサリーとして身に纏う。音楽を「聴く」だけでなく「視覚で着る」という体験が、若年層の所有欲を強烈に刺激している。