2003年6月27日、東京・六本木のテレビ朝日本社スタジオは異様な熱気に包まれていました。ロシアから来日した女子高生デュオ「t.A.T.u.」の快進撃は凄まじく、デビューアルバム『All the Things She Said』は日本国内だけでもミリオンセラー(100万枚突破)を記録。過激なPVやセンセーショナルな言動で若者文化を席巻していた最中の生出演でした。
オープニングでは反戦メッセージがプリントされたTシャツを着て登場した二人でしたが、その直後から異変が起こります。スタジオのひな壇から姿を消し、自身の楽屋へと引きこもってしまったのです。番組スタッフが必死に説得を試みるものの、本番中の呼び出しにも応じず、ついにトリを務めるはずだった出番の時間が迫ってきました。
緊迫した生放送のスタジオ。CMが明けると、司会のタモリが淡々と「t.A.T.u.が出たくねぇって言ってる」と告げ、スタジオは一時騒然。前代未聞の「生放送ボイコット」という放送事故が全国へ中継された瞬間でした。