漢字の深遠な起源を探る上で、東洋学者・文字学者の白川静と、巨編『大漢和辞典』を編纂した諸橋轍次が残した功績は計り知れない。両巨頭の研究を紐解くと、わずか4画の単純な線の中に、古代人の祈りや自然観、社会秩序がリアルに刻まれていることが分かる。
例えば「凶」という文字について、白川静は古代の落とし穴や災厄を祓うための呪術的記号がルーツであると明かした。一方、諸橋轍次は音韻体系と文字構造の比較から、4画という最小単位の記号がいかにして多様な概念へ派生したかを緻密に証明した。歴史に名を刻んだ知の巨人たちの視点を通すと、私たちが日々何気なく目にする4画の文字が、数千年の時を超えた時空のカプセルに見えてくる。