初任給の最高水準を牽引している筆頭格が、高度な専門人材の獲得にしのぎを削るIT・通信業界だ。先端技術やデータサイエンスの領域では、新卒であっても能力に応じて年俸600万円〜800万円クラス、月給換算で40万円を超える破格の条件を提示する例が珍しくない。デジタル人材の不足は国レベルの課題であり、従来の給与テーブルを適用していてはグローバル企業や外資系企業に優秀な学生をすべて奪われてしまうという焦燥感が背後にある。
同様に待遇の抜本的見直しを進めているのが金融・証券業である。外資系投資銀行との人材獲得合戦が繰り広げられる中で、大手証券や大手邦銀の特定職種・コース別採用においては、初任給30万円スタートが標準になりつつある。一律のスタートラインを排し、個人の専門性や潜在能力に見合った給与を提示する「ジョブ型採用」の導入が、こうした高水準な初任給を支える枠組みとなっている。