もちろん、このムーブメントは一朝一夕に生まれたわけではない。日本のエンターテインメント産業の歴史を振り返れば、時代ごとに観客を魅了してきた系譜が存在する。その先駆けとしてスマートで知的な魅力を持ち、王道の恋愛ドラマで一時代を築いたのが向井理だ。彼の洗練されたスタイルと穏やかなルックスは、「塩顔」という概念が一般化する基盤を作った。
その後、親近感と多才な才能で爆発的なヒットを生み出したのが星野源である。彼が主演を務めたヒット作などのロマンティック・コメディでは、飾らない等身大の魅力が日本中の支持を集め、日常に溶け込む親しみやすさという新たな価値観を提示した。向井理が築いたスマートさ、星野源が開拓した親近感、そして坂口健太郎が確立した国際的な透明感。この進化のバトンタッチこそが、カルチャーとしての深みを与えている。