買ってきたときは大粒で見栄えの良かった牡蠣が、火を通した途端に小さく硬くなってしまう現象には、明確な科学的根拠があります。主な原因は「細胞破壊によるドリップ流出」と「急激な熱収縮」の2点です。
牡蠣の身は約80〜85%が水分で構成されています。表面には乾燥や酸化を防ぐための氷の膜(グレーズ)が施されていますが、凍ったまま強火のフライパンに入れたり、熱湯に投入したりすると、外側の氷が一気に溶けて細胞組織が急激に収縮します。その結果、旨味成分を含んだ水分が外へと搾り出され、身が干からびたように縮んでしまうのです。
また、やってしまいがちなNG行動が「真水(水道水)に浸けて解凍すること」や「電子レンジでの急速解凍」です。真水を使うと浸透圧の差によって牡蠣が余計な水分を吸って水っぽくなり、加熱時に大崩れを起こします。電子レンジ加熱も温度ムラが生じやすく、部分的に火が通り過ぎてパサつきの原因になります。