昭和歌謡がなぜ今刺さるのか?心揺さぶる名曲の裏側と再燃の真相

昭和歌謡がなぜ今刺さるのか?心揺さぶる名曲の裏側と再燃の真相

昭和歌謡がなぜ今刺さるのか?心揺さぶる名曲の裏側と再燃の真相について押さえておきたい 理由を厳選して解説いたします。

ここで、昭和歌謡をめぐる最大の誤解を解いておく必要があります。ネット上では「世界中で大流行しているシティポップこそが昭和歌謡の本質である」という論調が散見されますが、これは音楽史的な事実関係を見誤った単純化に過ぎません。

海外のリスナーが竹内まりや氏の「プラスティック・ラブ」や松原みき氏の「真夜中のドア〜Stay With Me」を絶賛したのは、そこに西海岸AORやフュージョン直系の「洗練されたコード進行(テンションコードやメジャーセブン)」と「ファンキーなベースライン」が完璧に実装されていたからです。つまり、世界基準のグルーヴを持ちながら、日本語という神秘的な響きが乗ったハイブリッドな洋楽的アプローチが評価の核でした。

それに対して、日本国内で愛され続けるド真ん中の「昭和歌謡」は、まったく異なる力学で成立しています。それは、四畳半の生活臭や演歌の情念、寄せては返す波のような哀愁を湛えた「泥臭いメロディと物語性」です。テレサ・テンの「空港」や八代亜紀の「舟唄」、殿さまキングスの名曲が日本人の涙腺を刺激するのは、洋楽的な快楽ではなく、日本語の語感と情念が密結合した土着的な叙情性があるからです。シティポップの洗練と昭和歌謡の泥臭さ、この二重構造を理解してこそ、昭和音楽の全貌が見えてきます。

山下 哲也
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山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。