1997年にヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した『HANA-BI』以降、世界的な映画監督として確固たる地位を築いた北野武。しかし、年齢を重ねるにつれ、大規模な映画製作を取り巻く環境や資金調達の構造は激変していった。そうした中で、晩年の集大成として制作された歴史大作『首』の構想・撮影現場において、彼女の存在は陰の立役者として機能していた。
ロケ地の調整や予算管理、さらには監督の体調面に至るまで、全方位で撮影をバックアップ。彼女が現場のプロデュースに関与することで、たけしは監督としての演出と出演に全精力を注ぎ込むことができた。過去の栄光にとらわれず、過激で破壊的な映像美を追求し続ける精力的な姿は、まさに新妻という新たなパートナーを得たことで吹き込まれた、二度目の創作的青春の賜物と言える。