哲学的な問いは、現代の大衆エンターテインメントの表舞台でも生き生きと描き出されている。代表的な例が『スター・ウォーズ』シリーズにおける「フォースの光明面(ライトサイド)」と「暗黒面(ダークサイド)」の相関関係だ。ここでは悪は恐怖や怒り、孤立から生じる力として描かれ、対する光は平静と共感に裏打ちされている。
さらに近年、Netflixなどで配信される話題のドラマ群では、単純な勧善懲悪の構図を排した複雑な人間ドラマが支持を集めている。主人公と敵対者の境界線が揺らぎ、双方に相応の正当性と歪みが同居する物語は、私たちが求める対比軸がもはや「善対悪」という静的な対立構造では収まりきらないことを物語っている。