役柄によって全く異なる表情を見せるのも、彼のスタイリングの凄みと言える。たとえば、テレビ朝日系ドラマ『BG〜身辺警護人〜』における民間警護員・島崎章のスーツスタイル。動きやすさを確保しつつも無駄を徹底的に削ぎ落としたブラックスーツは、漆黒の中に職人のプライドを秘めた質実剛健な仕上がりだった。
一方で『教場』シリーズでの警察学校教官・風間公親の佇まいは一変する。重厚なチャコールグレーのスーツに身を包み、Vゾーンの開きを最小限に抑えることで、圧倒的な威厳と冷静沈着な狂気を演出してみせた。Vゾーンのネクタイのディンプル(窪み)の作り方や、シャツの衿羽の開き具合一つにも、綿密な計算が施されているのだ。