フィットネスアプリを愛用するランナーや都市部のウオーカーにとっても、「約4キロ」という単位は極めて扱いやすい目安だ。時速4キロは成人の標準的な歩行速度であり、早足なら時速6キロ、ジョギングなら時速8〜10キロ程度となる。つまり「一里」は、自分の体調や運動強度を測るための天然の基準線なのだ。
デジタル機器が計測する「心拍数」や「消費カロリー」は客観的なデータだが、人間が実感として捉えられる距離の心地よさは、数百年前に確立された一里のペースと驚くほど一致する。最新のウェアラブルデバイスに頼りながらも、私たちが快感を覚える歩行リズムの根底には、江戸の旅人と同じ身体感覚が脈々と流れている。