これまで女性向け市場を中心に発展してきたフェムテック業界においても、大きなパラダイムシフトが起きている。一般社団法人日本フェムテック協会の調査によると、従来の「女性のため」という限定的なフレームから、性別を問わない「すべての人が自身の健康をコントロールするためのテクノロジー」へと概念の拡張が進んでいるという。
広大なヘルスケア産業全体を見渡しても、黒やグレーを基調としたジェンダーニュートラルなデザインの吸水サニタリーショーツや、男性用トイレへのサニタリーボックス設置をスムーズにする月額制サービスなど、当事者のプライバシーに配慮した製品が次々と誕生している。こうしたプロダクトの登場は、生理用品を購入すること自体に強い抵抗感や恥ずかしさを感じていた当事者の心理的ハードルを大きく下げた。誰もが差別や違和感を覚えることなく、必要なヘルスケアグッズを手に取ることができる環境づくりが、ビジネスの領域から急速に押し進められている。