2016年シーズン、黒田博樹投手はレギュラーシーズンで10勝8敗、防御率3.09を記録し、41歳にして2桁勝利をマークしました。7月23日の阪神戦(マツダスタジアム)では、史上2人目となる日米通算200勝を達成。本拠地を埋め尽くしたファンが総立ちで祝福する光景は、日本プロ野球史に残る名場面となりました。
そして迎えた同年10月の日本シリーズ(対北海道日本ハムファイターズ)。黒田投手はシリーズ開幕前に「この日本シリーズを最後にユニフォームを脱ぐ」と現役引退を電撃表明しました。チームメイトやファンに動揺を与えないよう、自らの進退をシリーズ直前に公表した決断にも、黒田投手らしい潔さが表れていました。
事実上の引退登板となったのは、2016年10月25日、札幌ドームで行われた第3戦でした。大谷翔平選手らを擁する強力打線を相手に、気迫を前面に出したピッチングを披露。6回途中、両足の太ももに強い痙攣を起こして無念の降板となりましたが、5回2/3を投げて4安打1失点(自責点1)という堂々たる投球内容でした。
マウンドを降りる際、敵地・札幌ドームを埋め尽くした両チームのファンから割れんばかりの拍手が送られた瞬間は、勝敗を超えたプロフェッショナルへの最高の賛辞でした。満身創痍になりながら最後までチームのために腕を振り続けたその姿こそが、背番号15が伝説となった決定的な瞬間です。