では、なぜこのような「4kcal説」が広まってしまったのか。人体生理学の観点から、その運動エネルギーと計算式を紐解いてみよう。
医学文献データベースPubMedに収載されている呼吸生理学の論文や、人体生理学研究者による試算を基にすると、くしゃみ時の消費エネルギーは「基礎代謝率×呼吸筋の収縮出力×動作時間」で算出される。体重60kgの成人の場合、横隔膜や腹直筋が爆発的に収縮したとしても、運動の持続時間が極めて短い。そのため、計算上の消費量は最大でも0.3kcal未満にとどまる。噂の「4kcal説」は、くしゃみ前後の呼吸乱れや動悸、あるいは「1分間くしゃみをし続けた場合の仮説値」が誤って一人歩きしたものと推測される。