この歌のルーツは、平安時代初期に編纂された『古今和歌集』にまでさかのぼる。「題不知(だいしらず)」、つまり題名も詠み人も不明な歌として収められたのが最初だ。原歌は「我が君は 千代に八千代に さざれ石の むすびてすらと 巌となりて」という記述だった。
古典文学の専門家たちの間では、この「君」が誰を指していたのかについて長年議論が交わされてきた。当時の文脈において「君」は、特定の君主や貴人を指すだけでなく、自分にとって最も大切な恋人や愛しい人を指す言葉でもあった。つまり、本来は個人的な愛の誓いや、大切な人の長寿を密やかに願う情熱的な和歌だったという説が存在する。日常のささやかな愛情が、巡り巡って国家の象徴へと変容していった歴史のダイナミズムには驚かされる。