作品の象徴的存在である宮内れんげ。彼女の独特な挨拶「にゃんぱす」や奇想天外な発想は、シリーズを通じて視聴者を笑顔にし続けた。しかし、物語の終盤で際立ったのは、幼いれんげが見せた確かな精神的成長だ。年下の少女・しおりとの交流や、補助輪なしで自転車に乗れるようになった小さな達成感を通じて、れんげは少しずつ「お姉さん」への階段を上っていった。
最終盤におけるれんげの眼差しには、幼少期特有の無邪気さと、世界の広さを知り始めた知性が同居している。日常系アニメというジャンルにおいて、キャラクターの加齢や成長を描くことは時に物語の停滞を招くリスクを孕む。だが本作は、れんげの微細な心の変化を丁寧に掬い取ることで、ただの記号的な美少女アニメにとどまらない、極めて上質な児童文学のような深みを獲得した。