映画『藁にもすがる獣たち』結末と伏線考察!原作との違いを徹底解剖

映画『藁にもすがる獣たち』結末と伏線考察!原作との違いを徹底解剖

映画『藁にもすがる獣たち』結末と伏線考察!原作との違いを徹底解剖にまつわる最新トピックを分かりやすく発信ます。

物語は全6章(「借金」「カモ」「食いもの」「鮫」「ラッキー大入り」「札束」)で構成され、一見すると同時進行に見える登場人物たちのエピソードが、実は時間軸を巧妙にずらした多重構造になっています。この巧妙な叙述トリックこそが、初見の観客を心地よく欺く最大の仕掛けです。

銭湯の清掃員として働き、認知症の母と貧困に苦しむジュンマン(ペ・ソンウ)がロッカーで見つけた大金入りバッグ。失踪した恋人の借金を背負わされ闇金業者に追われる出入国管理官のテヨン(チョン・ウソン)。そしてDV夫に絶望し保険金殺人を企てるミラン(シン・ヒョンビン)。彼らの運命を狂わせた元凶が、物語中盤から圧倒的な存在感で君臨する謎の女ヨンヒ(チョン・ドヨン)でした。

ヨンヒはミランを操って夫を殺害させた後にミラン自身も始末し、大金と身代わりの身分を強奪。さらに元恋人のテヨンをも罠に嵌めて利用し尽くします。しかし、テヨンがバッグをコインロッカーに隠したことから事態は急転。ヨンヒはテヨンを車で轢殺してロッカーの鍵を奪うものの、平沢(ピョンテク)港のフェリーターミナルで闇金業者ドゥマンに追い詰められ、女子トイレで刺殺されます。

ドゥマンもまた警察の手入れから逃走中に大型トラックに撥ねられて即死。誰もが大金の行方を見失ったその瞬間、奇跡のように残された「ロッカーの鍵」を拾い上げたのは、ターミナルの清掃員として雇われていたジュンマンの妻ヨンソン(チン・ギョン)でした。欲望に目が眩み他者を欺いた悪人たちが全滅し、最も真面目に理不尽な困窮に耐えてきた無垢な女性の手に大金が渡るという、強烈なアイロニーに満ちた結末を迎えます。

山本 拓海
Author

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。