スカーフの最高峰として君臨するフランスのラグジュアリーブランド、エルメス。彼らが長年提案し続けているのは、「正方形というキャンバスを、日常の身体運動に合わせてどう立体化させるか」というエレガントな哲学だ。
エルメスのカレ(正方形スカーフ)をシャツに合わせる際、メゾンが推奨するのは「バイアス折り」と呼ばれる技法。対角線上から両端を内側に折り込んでいくことで、布地に程よい厚みと滑らかな伸縮性が生まれる。このバイアス折りで作った帯をシャツの衿ぐりに沿わせるだけで、襟元に吸い付くような美しいカーブが描かれる。一生モノの上質な一枚を所有し、毎朝丁寧に折りたたんで身につける行為そのものが、着る人の立ち振る舞いまで美しく整えてくれるのだ。