コリコの街にたたずむパン屋のモデルとして、長年語り継がれてきた聖地がある。オーストラリア・タスマニア島に存在する「ロス・ベーカリー」だ。19世紀から続く伝統的な炭焼き窯を現役で使い続けるこの店は、店内の一角にキキの部屋を思わせる小部屋が存在することでも知られ、世界中からファンが巡礼に訪れる。
しかし、街全体のロケーション構築においては北欧の景観が色濃く反映されている。スタジオジブリの制作陣が現地ロケハンを敢行したのは、スウェーデンのゴトランド島に位置する古都ヴィスビューと、首都ストックホルムのガムラスタンだ。オレンジ色の屋根と石畳の路地、そして青い海。実在するパン屋のノスタルジーと欧州の歴史的街並みを巧みに融合させることで、架空の街コリコとあのパン屋の存在感が完成した。