志る幸を訪れる客の多くが注文するのが、昼夜を問わず看板として親しまれている「利休弁当」です。千利休の侘び茶の精神を受け継ぐ質素ながらも洗練された二段重ねの器には、季節の炊き込みご飯や色鮮やかな口取り(季節の一品料理・焼き物・和え物・香の物)が美しく敷き詰められています。
この利休弁当の主役となるのが、好みに合わせて仕立てられる「汁物」です。基本となる汁のベースは以下の3種類から選択する仕組みになっています。
- 白味噌:京都特有の上品な甘みと昆布・鰹の出汁が調和した、同店の真骨頂とも言える濃厚かつ滑らかな仕上がり。
- 赤味噌:コク深い豆味噌の風味を活かし、キレのある後味と重厚な旨味が広がる一杯。
- すまし汁:澄み切った黄金色の一番出汁に塩と醤油で僅かに香りを添えた、出汁本来の旨味を味わう椀。
さらに、汁の中に入れる具材は「おとし」と呼ばれ、季節や好みに応じて常時十数種類が用意されています。定番の「豆腐」「生麩」「落とし卵」から、贅沢な「鴨」「鯛」「車海老」「鱧(夏季限定)」「じゅんさい」まで多岐にわたり、選んだおとしによって価格が変動します。白味噌の甘みと生麩のもちもちとした食感、あるいは芳醇な鴨肉の脂が溶け出す瞬間のハーモニーは、他店では決して味わえない職人技の結晶です。