なぜ今池はこれほどまでにバンドマンを引きつけるのか。その理由は、徹底した現場主義とDIY精神にある。80年代以降、インディーズロックやパンクロックの激しい初期衝動を包み込んできたのは他でもないこの街だ。型にはまった商業主義を蹴散らし、爆音で個性を叩きつける表現者たちにとって、今池は唯一無二のシェルターだった。
メジャー資本主導の大型フェスとは異なり、ここでのライブは演者と観客の距離が異常に近い。ステージから飛び込むダイバーの体温、汗のしぶき、アンプの真空管が発する熱気。それらが一体となってフロアを焦がす。このカオスこそが、今池という街が長年培ってきた唯一無二の音楽的遺伝子なのだ。