田原総一朗という名を聞いて、多くの人が思い浮かべるのは討論番組での鋭い一刀両断の姿だろう。だが、彼のキャリアの原点は、1960年代から70年代にかけて東京12チャンネル(現在のテレビ東京)でディレクターとして手がけた伝説的なドキュメンタリー群にある。当時の彼は、まさに「過激」の一言に尽きる実験的な番組を連発していた。
結婚式を挙げるカップルの性生活や内面に肉薄する異色のドキュメンタリーをはじめ、既存のテレビ放送の枠組みを根底から覆す作品を次々と世に送り出した。被写体の剥き出しの欲望や葛藤をカメラに収める手法は、当時の視聴者に強烈なインパクトを与えたと同時に、放送コードの限界に切り込む戦いでもあった。