騒動の核心であった「佐村河内守の耳は本当に聞こえるのか」という疑問に対し、決定打となったのが第三者医療機関による精密な聴力検査でした。騒動直後、横浜市の要請および弁護士同席のもとで大学病院において精密な聴覚機能検査(純音聴力検査や聴性脳幹反応=ABR検査など)が実施されました。
公表された聴覚障害の診断書・診断結果によると、佐村河内氏の聴力レベルは両耳ともに約40〜50デシベル程度の中等度感音性難聴と判定されました。身体障害者手帳の「2級(両耳の平均聴力レベルが100デシベル以上の全聾)」に該当する状態とは大きく乖離しており、医学的に「全く音が聞こえない全聾」ではないことが確定しました。
検査結果が示した事実は以下の通りです。
- 日常会話の知覚:至近距離で明瞭に話しかけられたり、補聴器などの機器を用いたりすれば、言葉をある程度聞き取ることが可能なレベルであった。
- 高音域の障害と耳鳴り:本人が強く主張していた「頭の中で鳴り響く激しい耳鳴り」や高音域の聞き取りづらさは一定の信憑性があったものの、音楽制作の指示が不可能なほどの完全な遮断状態ではなかった。
- 医学的結論:「全聾」と詐称して世間の同情と名声を集めていた一方、完全な健聴者とも異なり、軽度〜中等度の難聴を患っていたという複雑なグレーゾーンであった。