始まりは静かだった。2026年初頭、海外のアコースティックシンガーがTikTokに投稿した短尺の演奏動画。そこに添えられたたどたどしい日本語の歌声が「エモすぎる」と話題を呼び、一気に拡散された。数日のうちに何千ものクリエイターがリミックス動画を投稿。瞬く間に世界的なミリオンテイクへと化けた。
「イントロの数秒を聞いただけで、胸が締め付けられるような感覚があった」。都内の大学に通う20代の女性は語る。サブスクリプションサービスのプレイリストには、昭和のオリジナル版と最新のアコースティックリミックスが並んでランクイン。デジタル ネイティブたちが、親の世代どころか祖父母の世代の楽曲に日常的に没入するという、かつてない逆流現象が日常の風景となっている。