この科学的進歩は、ビジネスの現場に急速な変化をもたらした。欧米のスタートアップ企業を中心に、一次面接の動画選考でAI人相分析を導入するケースが急増している。志望動機の言葉そのものよりも、話しているときの顔の動きから「レジリエンス(逆境折れ折れなさ)」や「協調性」を測定する試みだ。
しかし、これには強い反発もある。生まれ持った骨格や、病気による表情の麻痺などが不当に評価されるリスクが排除できないからだ。人権団体は「新たなルッキズム(外見至上主義)の温床になる」と警鐘を鳴らす。科学がどれほど進歩しようとも、機械が下す「顔診断」に依存しすぎることの危険性を、私たちは認識すべきだろう。