大統領失脚に伴い、デヴィ夫人は娘を連れてフランス・パリへと亡命しました。当時のパリ社交界は、旧貴族や世界中の大富豪、芸術家が集う排他的なコミュニティでしたが、彼女はその圧倒的な美貌と卓越した社交センスで瞬く間に中心人物へと躍り出ます。
当時のフランスメディアは、東洋の神秘的な美しさと西洋のエレガンスを兼ね備えた彼女を連日のように報道。映画俳優のアラン・ドロン氏や名門貴族のパトリック・ド・ダンピエール伯爵らとの華麗なロマンスが囁かれるなど、ヨーロッパ全土でセレブリティとしての地位を固めました。
しかし、その華やかさの裏にあったのは、異国の地で一人娘を守り抜くという強烈な母性の覚悟でした。亡命者という不安定な立場でありながら、決して弱みを見せず、自らの知性と人脈を武器に資産を築き上げた手腕は、現代のキャリア女性の視点から見ても傑出しています。