日本におけるインド料理研究の第一人者である香取薫氏は、スパイスの選定において特に「カルダモン」の役割を強調する。「スパイスの女王」と称されるカルダモンは、爽やかな清涼感と柑橘を思わせる高貴な香りを持ち、牛乳のくどさを打ち消して後味を劇的に軽やかにする奇跡のスパイスだ。
日本紅茶協会が発表する市場動向でも、多様化する消費者のニーズに対応するため、ハーブやスパイスをブレンドした高機能・高香気フレーバーティーの需要が年々拡大していることが示されている。これを受けて日本の清涼飲料・食品産業も一斉に動き出した。缶やPETボトル入りのRTD(Ready to Drink)チャイ商品や、チルドカップのスパイスラテがコンビニの棚を彩るようになったが、手鍋で淹れた淹れたての香気と深みにはまだ届かない。だからこそ、クラフト感覚で楽しむ自宅での淹れ方が、本物志向の消費者に支持されているのだ。