SNSやネット掲示板を調査すると、「何年もかけて貯めた30万円分の500円玉を窓口へ持って行ったら、手数料を数千円引かれて泣く泣く引き返した」「子どものお祝いに小銭を貯めていたのにショック」といった投稿が数多く見受けられます。
かつては「手軽でお金が確実に貯まる魔法の節約術」としてテレビや雑誌で持て囃された500円玉貯金ですが、金融システムの劇的な変化により、その立ち位置は180度転換しました。行動経済学において、人間は「貯金箱にお金がチャリンと貯まる快感」を別格の価値として認識する「メンタルアカウンティング(心の会計)」の罠に陥りがちです。しかし現実には、預け入れ時に手数料という名の「実質的なマイナス利回り」を課される構造へと変貌しています。
また、窓口で大量の硬貨を計量・精査してもらう際、枚数を確定した時点で手数料の支払いが確定するため、「思っていたより手数料が高いからキャンセルする」という手続きすら容易ではない現場ルールも存在します。現金信仰が根強い日本社会において、小銭を物理的に集める行為そのものがリスクになりつつある現実は直視しなければなりません。