県内各地を歩くと、統計データだけでは見えてこない有権者の複雑な感情が伝わってきます。長門市で一次産業を営む60代男性は取材に対し、次のように率直な懸念を口にしました。
「道路などのハード整備は進んだが、集落から若者がいなくなり、診療所の医師不足も深刻だ。県庁の視線が瀬戸内側の工業地帯ばかりに向いていないか、立ち止まって考えてほしい」
一方で、山口県知事選挙に関するネットの反応をSNSや掲示板で分析すると、デジタル世代特有のシビアな声が目立ちます。子育て支援の所得制限撤廃や、若手起業家支援、テレワーク移住の受け入れ態勢など、「定住したくなる魅力ある施策」を求める意見が急増しています。既成組織に頼る選挙手法に対して「誰が知事になっても変わらない」という諦観が漂う一方で、「停滞する空気を打破してほしい」という切実な変化への希求が同時に渦巻いています。