だが、熱狂の裏側で前代未聞の法的トラブルが巻き起こる。ラッセル・ホーニングの母親と代理人弁護士は、許可なくゲーム内でダンスを商業利用されたとして、Epic Gamesを相手取り著作権侵害の提訴に踏み切ったのだ。
争点は「わずか数秒のダンスステップやボディモーションに個別の著作権が認められるか」という点にあった。米国の著作権法において、一連の長い振付作品(バレエや演劇など)には著作権保護が認められるものの、短く単純なダンスステップや既存の動きの組み合わせには権利が認められにくいという法的な壁が存在した。米最高裁判所の判例や米国著作権局のガイドラインを踏まえ、最終的に原告側は自発的に訴訟を取り下げる形となったが、この裁判はゲーム業界やテクノロジー企業に対して、デジタル上の創作表現と権利関係のルール作りを痛感させる契機となった。